あっという間終電タイム
さっきのお店を出たあと
テクテク歩き始めたら
マッチはいかがですかぁ〜
マッチはいかがですか〜〜
と、言わんばかりの
見知らぬ女の子が、立っていた。
あの〜
今日、これ、売れ残ってしまったので
もし
良かったら
買って頂きたいのですがぁー
と
ふむふむと
中を、見せてもらったら
でっかいトマトが
10個ほど
ダンボールに入っていた
いくら?
300円です
どこ産?
熊本です
買うわ❣️
もしも、まずかったら、
300円全額お返しします!
って
もう、会えないと
思うから
大丈夫よ。
そんな、ことより
深夜12時過ぎに
路地に立って
寒いなか、手袋もせず
少ないひと通りの、小道で
どこの誰だか、わからない
人に
ひとり、ひとり
声かけながら
今日、売れ残ったトマトを
こんな寒いなか
こんな深い時間帯に
根性で、売っているなんて❗️
この人は、いったい、これを売り切って
オーナーさんから
いくら、もらえるんだろう?
随分、まだ、残っていたので
もっと、沢山買ってあげたかったが
俺は一人暮らしだから
一つで、十分だった。
一緒にいた、おともらちも、一つ買った。
トマトは、残り8コくらい。
振り向いたら
すでに、ひと通りは、ゼロになっていた。
深夜12時過ぎに
トマトを売り歩くなんて
まるで
マッチはいかがですか〜〜?
マッチはいかがですか〜〜?
で、
子どもの時に衝撃を受けた
マッチ売りの少女
の
話を、ふと、思いだした。
300円の、トマトを
寒い中、道路で、手売りして
いったい、いくら、配当
もらえるのか?
その、やり取りを見ていたら
俺なんか、
週休7日制とは、言え
はるかに恵まれていて
毎日ぬるま湯生活をダラダラしていて
誠に申し訳ない気持ちになった。
こうして、
売れ残ったトマトを売りながら
たくましく
生きてる子を見ると
もしも、道路で
同じような人と、遭遇したら
その人から
極力
何かを、買ってあげたい
と
そんな
気持ちになった。